about

当店 “Cordon de Soie(コルドン ドゥ ソワ)” では、主にフランスのテキスタイルデザイナーを紹介し、関連するテキスタイル商品を販売しています。

このお店を始めたきっかけは、日頃手にする生活用品に使われているテキスタイルを誰がデザインしたのかを考えたことがきっかけでした。たとえば、民藝品を扱うお店で陶器を手にする時も、誰がこの陶器を作ったのか気になりますし、蚤の市で小さな手作りの可愛らしいお人形を見ても、誰が作ったのか、その作り手のことが気になります。どんな些細な物でも、作り手の素顔を思い浮かべることができれば、その物に対する愛着もわいてきます。好きな絵を描いた画家のことを知りたいと思うように、生活の中で普段使いに利用するものでも、その物づくりに関わっている人たちのことを知りたいと思う気持ちを大切にしたいと思っています。そのため、当店では、まずは作り手のひとりであるデザイナーについて紹介し、彼らがデザインした商品を販売しています。

お店の名前 “Cordon de Soie(コルドン ドゥ ソワ)” は、フランスの詩人 Arthur Rimbaud(アルチュール・ランボー)の詩集 Les Illuminations(イリュミナシオン)の一編の詩「Fleurs(花)」の一節から借りてきました。直訳すると「絹の紐(ひも)」と訳されます。この詩を読むと、自然界の素材や植物が織物のように織り込まれ、まるできらびやかな装飾をほどこされた舞台のような光景が浮かび上がります。自然界が光の反射によって様々な色彩を私たちに与えてくれるように、詩を読むときも、読む人の過去に経験されたことが詩の世界に反射され、その時々によって異なる色彩、形や香り、触感までも与えてくれるように思います。

私にとって、詩はテキスタイルと並んで大好きなもののひとつですが、このふたつに共通するのは、感覚に訴える吸引力の強さです。私たちが記憶にとどめておきたい貴重な時間や想い出は、瞬く間に忘れてしまうことが多いものです。それでも、過ぎ去った時間が、私たちの身の廻りで静かにそっと息をしているのを感じさせ、それによって過去の何かを思い起こさせてくれる、いま現在へのつながりを呼び起こし、日常の現実に安堵感のようなものを生み出してくれる、そういう魅力がテキスタイルや詩にはあると思うのです。

私たちのお店が、お客さまのお気に入りのひとつとして末長く存続していければ幸いです。

オフィシャルサイト: http://cordondesoie.com/